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711 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日: 2006/11/08(水) 04 37 41 テトリスのように湯船の真ん中に入る事にする。 幸い、体積的に入ることは不可能ではなさそうだ。 ……ただし、なんというか、その、身体を押しつけ合う事になりそうではある。 湯船の真ん中というのはどうかと考えるが、当然下には足があるだろう、踏みそうなのでうまく回避しなければならない。 まして三人ともかなりぐったりしている。 踏んでしまったらそれはもう大変なことになるだろう。 そーっと足を入る。 足同士が触れているのが分かるが、問題なく湯船に身体を沈め……られなかった。 沈めようとした尻の下に誰かの足がある。 それはそうか、ぶつからないように出来るだけ互い違いにするだろうし。 ……だとすると。 遠坂の方を向く。 隣にはイリヤが眠りそうな表情で浸かっている。 だとすれば残りは。 「あー、氷室、すまん」 氷室の隣に入ることだ。 腰は下ろしたが足は体育座りのように曲げたままだ。 多少窮屈だが仕方がない。 「ん……私は、構わん……」 本当にぐったりとしているのだろう、反応が妙に鈍い。 無言のまま数分が過ぎる。 「衛宮……少し頼みがある」 「ど、どうした?」 氷室が身体を押しつけて話しかける。 普段ならば絶対にあり得ない場面で思わず慌ててしまう。 「身体は温まったのだが、どうにもだるくてな……余り動けないと言うことだ」 話が見えてこない。 「それでな……背中だけでも洗って貰えると嬉しいのだが」 え? 「そ、それなら遠坂とかにやって貰った方がいいんじゃ」 「いや、遠坂嬢も同じような状態のようだし……まともに動けるのは衛宮だけのようだし……頼めるのは君くらいと言うことだ」 言葉もうまく発せないのか、氷室の口調は普段から少しだけ変わっていた。 そして普段の彼女ならばこういった考え方はしないのだと分かる、つまり余程大変な状態なのだろうと察するに余りある。 「しかし……なんでこんなに怠いのかな……」 「ふむ……少しやりすぎましたか」 他者封印・鮮血神殿、風呂場という無防備な極小空間で、彼女の宝具を発動させて吸収した。 勿論痕跡を残すような事はしない。 その辺りのことを彼女は分かっている。 彼女が今回吸い取ったのは精気や性欲の類だ。 それを一時的に思い切り露出させ、その部分を一気に吸い上げた。 しかし魔力の強い人間 遠坂 も居たため思わず吸い上げ過ぎてしまった、ここは反省するべき所だと自戒する。 「しかしシロウ、思ったよりも……ふふふ」 喉の奥に士郎の血を残したまま思わず笑みを浮かべる。 「あら? ライダー、どうしたの?」 「いえ、なんでもありません、それよりもサクラ、少しお話があるのですが……」 「ん? なに?」 「いえ、大したことではないのですが……部屋に行きましょう」 「あ、それじゃお茶とか用意するね、ライダーは部屋で待ってて」 風呂場の状況を、桜は気付かなかった。 「そ、それじゃあ、洗うぞ」 「ん……頼む」 氷室はそれだけ言うと、無言で前を洗い出す。 それと同時に、士郎も氷室の背中を洗い始める。 スポンジ越しではあったが、女性特有の柔らかさと同時に筋肉の張りの強さを感じる、しなやかな背中だった。 「……凄いんだな、氷室」 「どうした? 藪から棒に……」 「いや、無駄なく鍛えられてるなぁって思ってさ」 スポンジの泡で背中を泡だらけにしながら、背中越しの腹筋を感じ取る。 背中を指先で軽く突いてみれば、それ以上の強さで押し返すような、内包する強さを感じ取る。 「それなら蒔の身体を洗うと良いぞ、あれは私よりも鍛えて居るぞ」 もっとも、断られるとは思うが、と続ける。 「……ま、機会があったらな」 そんなことは多分無いと思うけど、と続ける。 「しかし、まるで同性と会話しているような気分だ、安心する」 「……それは褒めてるのか貶してるのかちょっと判断できないな」 「褒めている、私は男性として衛宮を意識しているからな」 途端に恥ずかしさが復活する。 背中に直接触れても感じなかったのに、その一言で復活してしまったようだ。 恥ずかしさに追われ、慌てて背中を洗う。 「……終わったぞ、氷室」 背中にお湯を掛ける。 頭からもと頼まれたので頭からも掛けた。 「ん、さっぱりした、ありがとう、衛宮」 気付けば、氷室は自力で動けるようになっていた。 沈没船セプテントリオン:「あ」大変だ、気付くとイリヤが沈みかけている 3倍のあかいやつ:「あらあら、随分と仲が良いのね」浴槽から遠坂が声を掛けた 反撃の狼煙:「では今度は私が洗ってやろう」なんて事を言われた 質問への回答:「どうだった?」風呂から出て、茶の間でキャスターに聞かれた
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な行の用語 【ナミさん】 「らっしゃーせー」 胸のでかい麦わらの一味の航海士・・・ではなく、ペルソナ4の真のラスボス「イザナミ」の事。 仲人スキルEXと云われるムーンセルによる人選が、今回のロワではうまく機能していない事から「ナミさんやQBの仕業では?」と存在を疑われる。 実際に彼女も万能の願望機よろしく「全ての人が願うもの」を探していたため、関連性がなくもない。 ガソリンスタンド等があったらそこの店員を調べてみたらくぁwせdrftgyふじこ しかし、完結編プロローグにその姿を見せなかったため、その存在は否定された。 【二次聖杯三大不遇サーヴァント】 この二次聖杯においては、書き手次第によって強豪や優勝候補があっさり脱落する。ここではそのなかでも特に不遇とされる三人をまとめてみる。 アストレア 能力的にはビームが撃てない代わりに飛行可能なアルトリア。せめて戦闘中の時ぐらいは馬鹿キャラ封印だったら、救いがあったのかもしれない。 セリス そもそもクラス自体間違っていたという、ある意味目を惹く存在。更に相性が悪い相手ばかりとかなりの不遇。キャスタークラスならまだ戦えた可能性があった。 本多忠勝 連戦だったうえに相手がディケイドと自重しないクー・フーリンと、相手があまりにも悪すぎた。どちらかというと「飛行や近接戦闘もできるアーチャー」のとしての召喚のほうが良かった気がする。 …さらにこれら三人より不遇な死体さんとかいうのがいるらしい。 【二次聖杯七不思議】 ここでは、二次聖杯における七不思議を並べておく。 ゼフィールとタイマンして引き分けた陽介 寝てただけでラスボス扱いのまどか 一日経過しても死なない士郎 死んでから人気が爆発したテレサ ステータス表におけるマイナスの存在意義 キャス狐もとい駄狐のいた理由 一部陣営に発生する呪い 【二次聖杯における勢力一覧】 ここでは、スレや本編などで纏められた勢力を並べてみた。 対主催 ルルーシュ、陽介(帰還)、こなた(帰還)、イリヤ(死亡)、凛(死亡)、金田一(死亡)、士郎(死亡)、鉄之介(死亡) 危険人物 雪輝(死亡)、由乃(死亡)、剣司(死亡)、金城(死亡)、出夢(死亡)、小鳩(死亡) マーダー アシュヒト(死亡)、雁夜(死亡)、詩音(死亡)、陸(死亡)、慎二(死亡)、ゼフィール(死亡)、悠(死亡)、まどか(死亡)、切嗣(死亡)、スザク(死亡)、ジョン(死亡) ※おまけ 裏方 綺礼(消滅)、ゼロ、ギルガメッシュ(消滅)、ピースマン(死亡)、若本(いるだけ参戦。本編に顔出し無し) 【二次聖杯幸運四天王】 ここでは本編にて幸運を発揮した参加チームの四天王をまとめてみる 金田一一&太公望 初期位置が柳洞寺、同じく対主催の士郎、ルルーシュと即合流、柳洞寺を狙っていた同盟チームがあっという間に瓦解など地味に凄まじい幸運を発揮している。これが幸運A+の力か… 妲己 聖杯戦争の経験者であり、魔力量が非常に多い当たりマスターである凛を引いて、順風満帆であった。尚、マスターの事は即効で使い捨てた模様。 ワカメ 前回参加した聖杯戦争での敗北をバネに、強力なマーダーチームの結成に成功。その幸運がいつ弾けて消えるのか、読者の関心を非常にそそる。 鹿目まどか&DIO 全く目立たないが並外れた因果量を持つマスターと、単独行動持ち最強のアーチャーのコンビ。指針は違えど戦果は上々。だがDIOが地雷を踏みそうで… 【二次聖杯死亡フラグ四天王】 ここでは幸運不幸関係なく、存在そのものが死亡フラグのキャラをまとめてみる 園崎詩音&美樹さやか 鉄板である。どんな展開に転んでもこの二人が生還するルートが見えない…この二人の死こそがロワにおける一つの区切りになる気がする。 間桐雁夜&トキ 鉄板である。病人コンビでロワと関係のないところで病死する可能性が高かったが、それだけはなかったようだ。死亡フラグは消化済みである。 ワカメ こいつのことだから、きっとそのうちうっかり死ぬと読者たちが心待ちに(?)している。相棒のラオウは死亡フラグが出たり消えたりするキャラなのでそれも見所。 DIO 相棒である鹿目まどか、そして特大の地雷を自ら踏みに行ったことによりどんどん死亡フラグを増していっているキャラ。相棒のまどかは凄まじい生存フラグ臭を纏っているが…? すごい!即死体質の士郎が未だ含まれていない!でもそれ太公望のおかげだと思うよ! 【二次聖杯不幸四天王】 ここでは本編にてあまりの不幸っぷりを発揮した参加チームの四天王をまとめてみる 羽瀬川小鳩 本編にてワカメに拷問され、誰もが納得する不幸キャラ。鯖のキャスターが某ジャンプヒロインならこうはならなかったと思うロリッ☆ 園崎詩音&美樹さやか 住人からの愛され度が高すぎて不幸まっしぐら。絶望ロックがかかっているので魔女化は避けられない…? 遠坂凛 絶対に引いてはいけないキャスターを引いてしまった、ムーンセルによる人選最大の被害者。太公望からもお悔やみの言葉が届いております。 間桐雁夜&トキ 存在そのものが死亡フラグのおじさんと、その不幸パワーから逃れられそうに無い聖人トキ。聖杯戦争関係なく死にそうだが、トキは… 鳴上悠&クー・フーリン あまりに使いやすいコンビだったため、メタ的な意味でロワの犠牲になったコンビ。序盤は幸運四天王だったかもしれない。 四天王なのに…五組いる…!?これなんてクロマティ高校?
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ボガート・ロウ・アルデヒド(第二次) 【名前】 ボガート・ロウ・アルデヒド (Boggart・Low・Aldehyde) 【サーヴァント】キャスター 【性別】男 【性格】 一見すると楽観的な性格。 残虐。他者の殺害に忌避感が無い。 決して誰も信用せず、単独行動を取る。 何かを殺害する事でしか自我を確立する事が出来ない。 【出典】オリジナル 【属性】混沌・悪 【ステータス】 筋力 E 耐久 C 敏捷 C 魔力 B 幸運 D 供給 B 【詳細】 フィンランド出身の魔術師。 ここ数ヶ月で比良市近隣で多発している連続殺人事件の犯人である。 幼少期に功を焦った両親によって歪んだ教育を受け、結果的に人としてのモラルを失って人格が欠落した。 10年前のオカルト(=第一次聖杯戦争)に魅入られており、数年前から聖杯戦争への参加を決意。 御三家が聖杯の再現に成功したと同時に令呪を得た稀有なマスターである。 フィンランドから出国する際に両親共々アルデヒド一族を皆殺しにしている(そのため、魔術教会からは指名手配犯扱いを受けている)。 過去の歪んだ教育故に、『他者を殺害する事でしか自我を確立出来ない』性格になっており、定期的に小動物を殺害していた。 しかし両親の殺害以降、咎が外れたのかその対象を『人』へと移している。 使用魔術は『分解系統』。 アルデヒド一族に代々伝えられて来た得意な魔術だが、特にボガートの素養は特出していた。 この能力で大量に殺害した小動物や人の死骸を痕跡ごと分解して来た。 聖杯に『人格の無い自分でも楽しめる永遠の世界』を望む。
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佐倉杏子&アーチャー ◆KQwctnrg6E 少女が逃げる。 顔をくしゃくしゃにして、髪を振り乱して。それはまるで所業を白昼の下に晒された空き巣のようであった。 「はっ、惨めったらありゃしないね。負け犬らしいっちゃらしいけどな」 佐倉杏子はその後姿に侮蔑的な視線と言葉を吐き捨てる。 余程サーヴァントの力が優れていたのか、出会い頭こそ自信満々に死を宣告してくれた高飛車女。 その儚い自身も、彼女のサーヴァントが既に仕留められていた事に気づけば粉々に打ち砕かれた。 天国から地獄。一転し聖杯戦争の敗者となった彼女は無様をさらして逃げるのみとなったのだ。 「……マスターの方は仕留めなくてよろしかったのですか?」 その背後から黒衣の女性サーヴァントが杏子に声をかける。 つがえていた弓に現れる通りにアーチャーのサーヴァントである彼女は、”霊体化を解きながら”弓を降ろした。 「必要ないよ。サーヴァントを潰した時点であいつは脱落者だ。 仮にマスターを失った別のサーヴァントと手を組んだとしてもどのみち頭数は変わりやしねえし、 その可能性を摘む必要があるほどやり手じゃねえのはあの背中を見りゃ一目瞭然だ」 道端に寄せておいた紙袋を拾いながら答える杏子に、アーチャーは「そうですか」とだけ相槌をうち再び霊体化する。 「今日は引き上げる。あんたはともかく、あたしが闇討ちされない保証は無い」 『了解しました』 事務的な口調でそれだけ告げるアーチャーの声を聞き遂げた杏子は踵を返して教会に向かう。 本当ならもういないはずの両親と妹が待つ、その家に。 その後姿を見て、アーチャーは彼女が告げたこの聖杯戦争における目的を思い出していた。 ――あたしは、願望機に頼るのはもう御免だ。 ――かといってこの世界に居残りたくもない。 ――だから、私はこの聖杯戦争を終わらせる。その過程でもし聖杯が手に入ったら、あんたが好きにしろ。 女神の願いに応じて馳せ参じる自分たちとはまるで逆だな、とアーチャーは考える。 佐倉杏子は家族を失った少女だ。 宇宙的存在の誘いに惑わされた彼女は、代償として魔法少女となる事を承諾し父の幸せを願う。 けれどもそれは造られた幸せ。絡繰りを知った父はそれを拒み、願った娘を罵って母と妹を連れてこの世から去った。 それは杏子の心に暗い影を落とす絶望の記憶で。 ゆえに彼女は、あの時とは別の存在といえども願望機を使って願いを叶える事を良しとしなかった。 仮に聖杯を手にしたとして、アーチャーが聖杯が不要と述べれば躊躇なく破壊するだろう。 ――ならば、それで良いだろう。 アーチャーとて、聖杯にかける願いが無かった訳ではない。 「願いによって絶望した」事を聞いたぐらいで杏子の過去を聞いた訳でもない。 けれども、万能の願望機と失った幸せの偽造を嫌ったこの少女の目の前で願望機を望むつもりは無かった。 あの国は、きっとそんな都合の良いものが無くとも平和を勝ち取れる。 それは仕えた国を裏切る事になるだろうか。 それでもアーチャーは、己の望みよりも主の望みを立てる事を選んだ。 何も、今までとやる事は変わらない。主に仕え、影に生きて、影の中に消える。 ただ、戦う相手が変わっただけ。 魔物ではなく人間を相手取る事になったとしても構いやしない。 「……どうした、行くぞ」 『ええ。主命のままに』 一組の主従は闇の中に消えていく。 世界のためでもなく、正義のためでもなく。 ただただ、彼らだけのための戦いの中へ。 【クラス】 アーチャー 【真名】 漆黒の射手リタ@千年戦争アイギス 【パラメーター】 筋力:D 耐久:C 敏捷:B 魔力:D 幸運:B 宝具:C 【属性】 中立・善 【クラススキル】 対魔力:C 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。 大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。 単独行動:A マスター不在でも行動できる。 ただし宝具の使用などの膨大な魔力を必要とする場合はマスターのバックアップが必要。 【保有スキル】 心眼(真):B 修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理” 逆転の可能性が1%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。 気配遮断:B サーヴァントとしての気配を絶つ。 完全に気配を絶てば発見することは非常に難しい。 ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。 影矢:C 飛び道具を発射した時、その影を二つ目の飛び道具として具現化出来る。 影の発生しない場所ではこのスキルの効果は発動しない。 【宝具】 『隠密の射手』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人 存在を認知される事なく一方的に弓矢で射抜く、影なる弓兵としての宝具。 マスター、サーヴァント、双方に対し不可視と認識不能を伴い暗殺を試みる事が出来る。 (相手からの攻撃を無効化出来る訳ではない) 具体的にはこの宝具の使用中、アーチャーは霊体化状態で攻撃が可能となる。 加えて気配遮断のスキルを、デメリットを受ける事が無く使用出来る。 長時間維持する事は不可能。 『陰日向の兵舎』 ランク:C 種別:対地宝具 レンジ:1~10 最大捕捉:10人 常に上を行く才能を持つ弓兵たちに隠れ、兵舎に忘れ去られたエピソードから来る宝具。 一軒家程度の建物をアーチャーの兵舎として定義する事が可能となる。 兵舎は一般人の認識から外れ、高い探知能力がなければ発見が難しい。 攻撃体制にない限り、内部の存在はアーチャーと同等の「気配遮断」の効果を得る。 この宝具を適用するには自分以外の動物等を除いた生物がいないか、 自分かマスターの居住地として定義される建物が必要となる。 【weapon】 弓と影 【人物背景】 影に紛れ気配を殺す事の出来る狙撃手。ぼーっとした性格。 ある時魔物に操られ王子一行に襲いかかり、正気に戻って仲間に加わった。 実力は高いのだが、同時期に優秀な弓兵たちが加入した事や 能力がニッチなため評価されず、三軍以下をしまっておく第二兵舎は 「リタちゃんハウス」と言われる始末。 ただし状況を選べば弱い訳ではない。 【サーヴァントとしての願い】 聖杯にかける願いはない。 【マスター】 佐倉杏子@魔法少女まどか☆マギカ 【マスターとしての願い】 聖杯戦争を終わらせる。 【weapon】 魔法少女としての能力。 槍、多節棍、分銅鎖、鞭など。 幻影魔法も使用出来るがこちらは使いたがらない。 【能力・技能】 上記の通り魔法少女に変身出来る。 身体能力や魔力が人間に比べ大幅に上昇する。 人間ではなくなっているため、ソウルジェムを破壊されるか、 魔力の消費や絶望など負の感情によってこれが濁りきらない限り死ぬ事はない。 聖杯戦争においては魔力の消費によるソウルジェムの濁りが抑えられているほか、 敵サーヴァントを打倒する事によって(下したのがサーヴァントであっても)回復する。 【人物背景】 願いによって家族を失い、他人のための願いを否定する魔法少女。 他者が犠牲になっても構わないという価値観に基づき行動する。 それ以来自由きままに生きており、そのためには犯罪も厭わなかった。 しかしそんな生き方は内心嫌っており、正義感を持ち誰かの為に戦う 美樹さやかとの出会いでその心は少しずつ変わってゆく。 本当は不器用だが面倒見が良くて優しい少女。 【方針】 聖杯戦争を終わらせるために動く。 そのためには犠牲も覚悟の上。
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キャラシート【としあきの聖杯戦争】 4/13日帰り聖杯戦争@ロシア サーヴァント 【クラス】キャスター 【真名】ジャック・ザ・リッパー 【容姿】ローブを被った少年 【英雄点】40点(ステ15点・スキル25点):令呪2画消費 【HP】5/5 【筋力】E:1 【耐久】E:1 【敏捷】A+:6(7) 【魔力】A:5 【幸運】E:1 【スキル1】道具作成C 10:移動フェイズ時、味方陣営1体のHPを(耐久値D6)回復する。 交戦フェイズ中に1度だけ、味方陣営の任意の判定に補正値5を与える。 【スキル2】陣地作成C 10:移動フェイズに陣地を作成出来る。 陣地内では魔術攻撃と物理防御と魔術防御と奇襲防御時、補正値5を得る。 また、遠距離攻撃フェイズで受けるダメージを無効にする。 【スキル3】霧夜の探求者B 5:「霧が出ているエリア」内で魔術攻撃時、補正値5を得てダイス面数を1面増やす。 【宝具1】「霧の悪夢は五度に非ず(ホワイトチャペル・マーダー)」 1/1 【ランク・種別】B・対衆宝具 【効果】陣地内でのみ使用可能。 HPが0になった時に発動し、HPを1回復する。 回復後、陣地の効果に「エリアに『霧が発生している』という情報を付与する」を追加する。 【宝具2】「解体聖者(ヨハネ・ザ・リッパー)」 1/1 【ランク・種別】D・対人宝具 【効果】キャラクター作成時令呪一画を消費する。宝具1の使用後に使用可能になる。 魔術攻撃時、「霧が出ている」「対象が女性である」「対象が子供を産んだ経歴を持つ」の3つの項目のうち、当てはまる数×5の補正値を得る。 【その他】 切り裂きジャックの可能性の一つ。 人の創作から生み出された存在であり、形があっても存在はしないものの塊。 母を持たない故に創造主を求め、人の子を創造する存在として「母親になる体」の中に創造主を求める狂人。 【設定】 あらゆる可能性を持つ殺人鬼、切り裂きジャックのサーヴァントとして現界する姿の一つ。 この切り裂きジャックは「想像上に存在する、人々が求める殺人鬼」の形。 曰く「あの医者が」「あの作家が」「あの画家が」「あの教師が」「あの肉屋が」「あの王族が」「あの看護士が」「ジャックザリッパー『だった』」。 そんな思い込み、断定、創造の産物。 故に忘れさえしなければ存在し続け、五度の殺人すら超えて凶行を行う。 その一方で、正確なルーツがないために自分の出自に非常に興味を持つ傾向にある。 本人は「人を作るのがかみさまなら、人を産む母親にはかみさまが宿っている」という理論の元、子を産んだ、又は妊娠している女性に対して異常な興味を示す。 その思考をするように彼に求めたのは誰か、それこそ「かみさま」だけが知っているだろう。
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「それじゃあ、またねー! 三風ちゃん!」 「うん、またね。ウェンディちゃん」 夕焼けの空の下、手を振りながら茶髪の女の子とお別れした。 彼女はウェンディちゃん。私が通う中学校の留学生で、日本語がとても上手なんだ。 私のクラスに転入したウェンディちゃんとは席が隣同士。その縁でいっぱいお話しするようになって、仲良くなったの。 まだ、家には呼べていないけど。 「明るい子だな、ウェンディちゃん。でも、あの子もNPC……なのかな」 ウェンディちゃんの背中が見えなくなった頃、私は呟く。 私、宮美三風は聖杯戦争のマスターに選ばれちゃったの。 どんな願いでも叶えてくれる神秘の器……聖杯を巡り、マスターとサーヴァントがペアを組んで戦って、生き残らないといけない。舞台となった街には、現実に生きる人達を元にしたNPCという住民が暮らしているみたい。 でも、どうして私がマスターになったのか、未だにわからないよ。 気が付いたら、頭の中にたくさんの情報が詰め込まれちゃった。最初はパニックになりそうだったけど、サーヴァントさんのおかげで落ち着くことができた。 「……私、誰かを押し除けてまで叶えたい願いなんて、ないんだけどなぁ」 道を歩く生徒の数が少なくなった頃、ため息混じりに呟く。 聖杯を手に入れれば、どんな願いでも現実にできる。とても素敵な話に聞こえるけど、その為に誰かを傷付けるなんて絶対にイヤだ。 それは、私の素敵な家族だって同じだから。 私の生活は、普通の人たちとはちょっと違う。 赤ちゃんの頃に施設に捨てられたから、私はお母さんの顔や声を知らない。 かんろ児院という施設に預けられ、家族のことを何も知らないまま育てられた。赤ちゃんだった私が入っていたバスケットには、『宮美三風』と書かれたタグが添えられていたから、そのまま私の名前になっている。 そして、バスケットには水色に輝くハートのペンダントも入っていた。私とお母さんを繋いでくれるたった一つの宝物だから、いつも持っているよ。 そんな私だって、いつまでも子どもでいられない。 中学校と高校を卒業すれば、社会に出て働く義務が生まれる。かんろ児院を離れて、誰の助けも借りずに一人で生きていくことはとても不安だよ。 でも、私の日常に大きな変化が訪れる。ある日、国の偉い人から『中学生自立練習計画』という練習が持ちかけられ、施設を離れて同じ年代の女の子と一緒に暮らすことになったんだ。 毎日のお仕事はもちろん、料理や掃除などの家事、病気になった時の備えなど……社会に出て生活するには大変なことがいっぱいある。将来、自立が必要になった時の練習として、私はこの計画に参加することを決めた。 そうして、施設から出た私が訪れた『家』には……私と全く同じ顔の女の子が3人もいたの! ひとりぼっちだと思っていた私には、姉妹がいることがわかったよ! 四つ子の四姉妹がいて、私・宮美三風は三女なの。 しっかり者で頼りになる長女の宮美一花ちゃん。 とても明るくて関西弁の次女の宮美二鳥ちゃん。 おとなしいけど頭脳明晰な四女の宮美四月ちゃん。 みんな、私の自慢の家族だよ! だけど、素敵な四つ子の暮らしはメチャクチャにされてしまう。 何の前触れもなく、私だけが聖杯戦争に巻き込まれちゃって、いかりを覚えているよ。 みんなはいなくなった私を心配しているだろうし、もしかしたら他のみんなも聖杯戦争に巻き込まれているかもしれないと考えると、不安になる。 「……ウェンディかぁ」 「わあっ!?」 いきなり後ろから声が聞こえてきて、私はビックリしちゃう。 振り向くと、私のサーヴァントさんが姿を現していた。普段は霊体……透明になって私を見守ってくれるみたいだけど、自分の意思で姿を見せてくれるの。 背中に大きな剣を背負い、銀色に輝く兜や鎧を纏っていて、まるでおとぎ話に出てきそうな騎士だった。体格もよくて、赤い髪もライオンのたてがみのようにボリュームが溢れているよ。 この人はデュランさん。セイバーのクラスになって、私のサーヴァントとして召喚された男の人なんだ。 「でゅ、デュランさん!? いきなり出てこないでくださいよ!」 デュランさんが唐突に出てきたせいで、私の心臓はバクバクと音を鳴らしている。 「わ、悪い! マスター! 驚かせちまって…… いや、あのウェンディって女の子が、俺の妹によく似ていてよ……」 「妹? もしかして、デュランさんにも妹さんがいるのですか?」 「あぁ。俺のたった一人の妹さ。 父さんと母さんは、俺がガキの頃に亡くなった……身寄りのない俺達を、ステラ伯母さんが育ててくれた。 俺の父さん……ロキは、本当にスゲー騎士だったんだぜ? 黄金の騎士と称される程に強くて、俺はそんな父さんに憧れて剣の道を目指したのさ。 ウェンディやステラ伯母さんだけじゃない……みんなを守れるようになる為にな!」 どこか寂しげに、それでいて誇らしい瞳でデュランさんは語る。 不謹慎とわかっているけど、デュランさんが羨ましかった。私は施設に預けられたから、お父さんとお母さんの顔は知らない。私のお母さんは雅さんという名前だけど、どこで何をしているのかわからないよ。 だから、家族と一緒に育ったデュランさんが、私にとって遠い存在に見えちゃう。 「素敵なお父さんだったんですね」 でも、デュランさんの姿はとても大きく見えた。 デュランさんのお父さん・ロキさんは今も生きている。デュランさんの心の中で、いつだって支えてくれているはずだ。 雅さんだって、遠くから私のことを励ましてくれている。ペンダントがある限り、私とお母さんは繋がっているから。 「当たり前だろ? いつだって、父さんは俺に道を示してくれているのさ! 俺は父さんに負けないよう、どこまでも強くなりたいと思ってるぜ! 黄金の騎士ロキから、多くのものを受け継いだ騎士として……そして、一人の男としてな!」 「そっか……とても、いいことですよ! あっ、でも……」 「どうしたんだ? マスター」 私の声のトーンが落ちて、デュランさんは首を傾げてしまう。 「……それって、他のマスターさんやサーヴァントさんを傷付ける……って、ことになりますよね?」 ずっと気になっていた疑問を、私は口にした。 デュランさんはとても頼りになる人だよ。そのテンションには置いて行かれそうになるけど、私を本気で守ってくれる。 でも、その為に他の誰かが死ぬかもしれないことを考えると……私の胸は苦しくなる。 願いが叶うなら、今すぐ家に帰りたい。でも、それは私だけじゃなく、他の人たちも同じのはずだよ。 「確かに、そうなるな。もしかしたら、相手の命を奪うことになるかもしれねえ」 「……どうにか、なりませんか?」 「それができたら、みんな幸せだろうな。父さんだって、きっと命を落とさずに済んだかもしれねえ……でも、どうにもならねえ相手もいるのさ」 デュランさんの目はとても真剣だ。 デュランさんだって相手の命を奪いたいと思っていない。でも、世の中にはどうにもできない相手もいる。 そんな人たちから、みんなを守りたいと願ったからこそ、デュランさんとロキさんは強くなったはずだよ。 デュランさんの言うこともわかる。世の中には、どうにもならない相手がいることも事実だよ。 例えば、二鳥ちゃんの里親さんになってくれた佐歩子さんと武司さん。あの二人は一方的な思い込みから、愛する娘として育てていた二鳥ちゃんのことを遠ざけて、そして二鳥ちゃんを捨ててしまった。 二鳥ちゃんがどれだけ気持ちを伝えても、あの人たちは二鳥ちゃんの話に耳を傾けず、自分達の都合のいい理屈をふりかざした。 そんな二人のことを二鳥ちゃんは許してくれた。でも、二鳥ちゃんは泣いていたよ。 だから、私は……私たちは今の家族を絶対に捨てたりしないと、心から思うようになった。 「……ただ、俺の剣は誰かを守るためにあるのさ。マスターだけじゃない。マスターの家族のことだって、俺が守ってやるよ」 私の心を察しているように、デュランさんはニッと朗らかな笑みを見せてくれる。 「ありがとうございます、デュランさん」 「いいってことよ。さっき驚かせたお詫びさ! 今度からは、出てくる前にはきちんと声をかけるぜ!」 夕焼けの下、デュランさんの声は豪快に響く。 とても頼りになる姿で、胸が熱くなりそう。私達にお兄さんがいたら、こうしてお話をしながら歩いたりするのかな。 今度、双子の兄弟のトウキくんとリオくんに聞いてみようかな。 そうして、私は家に帰る為に歩き続けている。 私達四姉妹が暮らすようになった大切な家が、この世界にもある。 家の作りは全く同じ。一花ちゃんも、二鳥ちゃんも、四月ちゃんも、私の大切な家族はみんな暮らしているよ。 だけど、もしかしたら彼女たちはNPCかもしれない。そんな不安が、私の中で芽生えていた。 みんな、いつもと変わらない様子で私と暮らしてくれる。 でも、私の大切な家族が利用されることが許せない。まるで、私たちの生活を踏み荒らされたみたいでいやだ。 もちろん、例えみんながNPCでも、私は否定するつもりはないよ。だって、無理やり生み出されただけのみんなに、責任なんてないから。 (そういえば、もしも私たちがみんなNPCになっていたら、私達は四つ子じゃなくて八つ子になるのかな?) ふと、私の中で疑問が芽生える。 たとえば、朝に起きて一花ちゃんに「おはよう」を言うと…… 「おはよう、三風!」 「「おはよう、一花ちゃん!」」 ここにいる私と、NPCの私が同時に挨拶をしちゃうの。 そんな光景を、二鳥ちゃんは楽しそうに笑ってくれるはずだよ。 「あははっ! 一花、今どっちの三風ちゃんにおはようって言うたの? 今のうちらは、四人じゃなくて八人になったことを、忘れたらあかんって!」 「それを言うたら、うちらも同じやろ? うち、宮美二鳥だって、二人もおるんや!」 「ホンマや! うちは二鳥やから、二人もいるんやな!」 二鳥ちゃんだって、私が知っている二鳥ちゃんとNPCの二鳥ちゃんで二人もいる。 そうすると、家の中がもっと明るくなるよね。 「そんなのんきな話じゃないわ! 私たちが8人になったら、これからの生活がもっと大変なことになるのよ?」 「その通りよ! 食事代だってかかるし、洗い物や洗濯物だって増えるわ。スケジュールだって、見直さないといけないし……」 「「……くすっ」」 二人の一花ちゃんも、この状況に悩むかもしれないけど、お互いに支え合うはずだよ。 だから、文句を言いつつも、笑ってくれるかもしれない。 「えっと……僕たちで、これからの呼び方も考えませんか? 今まで通りだと、不便かもしれませんし」 「そうですよ。三風姉さんも、同時に応えちゃいましたから……人間の僕たちと、NPCの僕たちで、それぞれわけた方がいいと思います」 四月ちゃんだって、二人になっても落ち着いてアイディアを出してくれる。 むしろ、四月ちゃんが二人になれば、推理力だって二倍になるのかな? 入学当初、私たちが同じクラスになったら、どうなるかを想像したことがある。 人間の私たちと、NPCの私たちが一緒に暮らすことになったら、大変なことになるのは確かだよ。でも、今まで以上に、おもしろいことになりそうだね! 「ふふっ!」 「どうした、マスター? 何かいいことでもあったのか?」 「はい! 私の周りには、素敵な人たちがいっぱいいることに、嬉しくなったんです!」 家で待ってくれている家族のみんなと、私の隣を歩いてくれるデュランさん。 私は過酷な戦いに巻き込まれちゃったけど、落ち込むことはない。だって、私のことを想ってくれる人が、たくさんいる。 だから、私はいつだって笑っていられるよ。 【クラス】 セイバー 【真名】 デュラン@聖剣伝説3 TRIALS of MANA 【属性】 秩序・善 【パラメーター】 筋力:A+ 耐久:A 敏捷:B 魔力:E 幸運:C 宝具:A 【クラススキル】 対魔力:B 魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。 単独行動:C マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。ランクCならば、マスターを失ってから一日間現界可能。 【保有スキル】 クラス4:A 大魔術師グラン・クロワの導きを受けて、黄金の騎士ロキとの一騎打ちに勝利したデュランが得た力。 勇気のオーブにより、デュランは比類なき力を発揮できる。世界を破滅に導こうとする大魔女アニスが相手になろうとも、決して負けることはない。 【宝具】 『救世主が振るうは、光陣剣(トライアルズ・オブ・セイヴァー)』 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:‐ 最大補足:1人 クラス4・セイヴァーにクラスチェンジしたデュランが振るう光の剣。 魔法陣で敵を拘束し、光の如く勢いで駆け抜けながらダメージを与えて、最後に極光を炸裂させる。 斬撃はもちろん、その輝きを浴びた者は致命傷を避けられない。 【Weapon】 勝利の剣 【人物背景】 草原の王国フォルセナで生まれ、黄金の騎士と称された父・ロキに憧れて剣士に憧れた青年。 強さを得るために自己研鑽を欠かさず、負けず嫌いな性格。言動は荒っぽいが、身近な人間からは慕われており、英雄王リチャードに対しては敬意を欠かさない。 その実力はフォルセナでもトップレベルで、祖国を守るファイターとして活躍していた。しかし、ある夜に魔法王国アルテナから紅蓮の魔導士の襲撃を受けて、圧倒的な魔力に敗北する。 幸いにも命は助かったが、紅蓮の魔導士の犠牲になった仲間は多く、デュランの誇りが砕け散ってしまう。 だが、英雄王リチャードを侮辱した紅蓮の魔導士を許すことができず、デュランは強くなりたいと心から願うようになり、旅立った。 旅の中でデュランは数多くの仲間達と出会い、共に戦い、確実に強くなった。 やがて、デュランと仲間たちは世界の運命を左右する戦いにも関わるようになる。世界を救う為、大魔術師グラン・クロワの祝福を受けてセイヴァーにクラスチェンジした。 クラスチェンジを果たしたデュランは、仲間達と力を合わせて数多くの戦いに勝利する。そして、大魔女アニスやブラックラビはもちろん、マナの聖域を襲った巨悪の打倒を果たした。 【サーヴァントとしての願い】 マスターと、マスターの家族を守るためにこの剣を振るう。 【マスター】 宮美三風@四つ子ぐらし 【マスターとしての願い】 家族みんなで過ごせる家に帰りたい。 【ロール】 普通の中学生。 宮美家の四姉妹として過ごしています。 【能力・技能】 運動はやや苦手だけど、手芸や絵が得意。 得意科目は国語で、理科と数学が苦手科目。ただし、テスト勉強をしたおかげで点数を取れるようになった。 また、四つ子で生活したおかげで家事スキルも身についている。 【人物背景】 宮美家の三女。 生まれてすぐに施設に預けられ、家族のことを知らないまま育ったものの、ある日から自分には家族がいることを知る。 姉の一花と二鳥、妹の四月と共に暮らすようになり、姉妹の絆を深め合っていく。 【方針】 元の世界にいるみんなも、この世界にいるみんなも大切にしたい。 【備考】 原作第8巻以降からの参戦です。
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——嘘をつくのが下手な者は全てを嘘で塗り固めようとする 嘘をつくのが上手い者は嘘の中に真実を織り込む—— 天海陸が人としての最後の良心を涙と共に流し去ろうとしていた、まさにその時 「 ば く は つ する ーーー!」 叫び声と共に若い男が厨房から転がり出てきた。 男は陸達には目もくれず、更に「火事だー!逃げろー!」と喚きながらNPCの死体の間を入口へと走っていく。 厨房からは乾いた破裂音が響き、ほんの一瞬呆然としていた4人は弾かれたように我に帰る。 まず動いたのはライダーだった。 「逃げよう!」 レストランから脱出してやや離れた場所から様子を伺う。 男の叫び声が響いてから15分ほど経ち、不審に思うには充分すぎる時間が流れた。 「爆発…しなくない?」 重い空気の中で口を開いたのはこなただったが、その疑問は正しく4人で共有するものだった。 「爆発どころか炎も煙も上がらないな…誤報だったのか?」 「でもさっきの人の慌てようは凄かったよね。音もしていたし」 更に突っ込んだ疑問を呈するライダーと応えるこなたの横でセイバーは考えていた。 この突発事態にどう対処するべきかを。 そして、彼は嘘を織り上げる。 「してやられたかもしれないな」 ぽつりと呟いた、そんな風に聞こえるように口火をきる。 「どういうことだセイバー」 「さっきの破裂音、軽すぎたように思えてきてね」 「まあ確かに、爆発というよりは単に何か破裂したような音だったな」 「厨房から音がしたから咄嗟にガス爆発かと思ったけど、ハッタリだったかもしれない」 「ハッタリだと?」 陸はセイバーの真意にはまだ気付いていないながらも上手く話を繋いでくれている。 (これならイケる)そう確信して事実と憶測を紡いでゆく。 「思い出してみれば火事だと騒いだ男も怪しいもんだよ」 「あの男はごくラフな服装だった、従業員の制服やスーツ姿ではなくね。つまり客の1人…それが何故か厨房にいた」 「確かにそうだ。あの時は爆発の危険を重視したから追わなかったが結局爆発は起こらなかった。つまり君はあの男を怪しんでいるんだね?」 「そう、彼いや彼等の目的…いや役割は僕達をあの場から引き離すことだったのかもしれない」 ライダーの反応に手応えを得てより深く切り込んでいく。 「引き離すってどういうことだ?しかも彼等ってことは他にも誰かいたってことか?」 「破裂音だよ。ガス爆発でないとしたら風船か何か、例えば自転車のチューブ辺りを破裂させた奴がいたかもしれない」 「火事だ爆発だと騒いで音まで立ててオレ達をレストランから追いやったってことか…」 「その辺までは間違いないと思ってる。問題は『なぜ』そこまでしたかなんだ」 陸とのやりとりを経、あくまで憶測だと前置いてセイバーは核心たる部分を口にする。 「彼等、いや、彼等を動かしていた奴の目的は遠坂凜の遺体だったのかもしれない」 「遠坂を!?」 「そう、聖杯戦争を知る彼女ならリク、君とは違って何らかの特別な能力を持って可能性はある」 「確かに凜ちゃんは聖杯戦争がどんなものか知っていたみたいだけどさ…」 「敵に襲われた時の対応からも彼女いわば場馴れしているのは分かった。だからその敵が彼女を調べたんじゃないだろうか?」 「実際に火事や爆発を起こさなかったのも調べる時間が欲しかったからだとすれば辻褄は合う」 マスターとしての力量、特殊能力の有無、或いは聖杯戦争そのものについて知りたかったから そう言葉を結ぶと場は沈黙に包まれた。 「あの騒いだ男は敵のマスターかサーヴァントに頼まれたか操られていたんだろうね」 「だとすると凜ちゃんを殺した奴等はNPCを操る能力があるかもしれないのか」 「周りに他にも操られたNPCがいる可能性もあるしな。警戒しながら移動しよう」 今後の方針へと話を向けるサーヴァント達に向かって今まで黙り込んでいたこなたが口を開く。 「あのさ…凜ちゃんの家に行ってみたいんだ…ダメかな?」 「どういうことだい?」 「あたしってさ、聖杯にお願いなんてないけど、強いて言うなら家に帰りたいんだ だから凜ちゃんにも帰りたい家があって会いたい家族や友達がいたんじゃないかなって うまく言えないけどさ、聖杯戦争のことも含めて色々知りたいから、凜ちゃんから教えて貰う代わりにって…やっぱ無理かな」 「俺はいいと思うよ。まあ家探しってことにはなっちゃうけど凜ちゃんに聞く代わりだと思えば、ね。陸くん達はどう?」 よくよく考えた末のものであろう提案を語るこなたと賛同するライダーを横目にセイバーは考える。 (遠坂凜のサーヴァントがマスターの自宅に戻っている可能性があるな…顏を知らないはずとはいえ鉢合わせたら面倒かも) (だけど僕が弱いのはバレているだろうし陸は一般人だと思わせているしここで離脱するのも却って不審かな) そして答える。 「僕も反対はしないけど判断はマスターに任せるよ。ただ敵が既に遠坂凜宅を把握している可能性、 つまり戦闘になることも考えておかないといけないけどね」 「…オレ達も行こう、セイバー。遠坂には悪いが、道具なり日記なり役に立つ物は使わせて貰う」 陸の言葉がこなたに同調したように見せてその実自分達の為の宣言であることを察したセイバーは薄く笑った。 「じゃあ決まりだね。僕とリクも遠坂凜の自宅へ同行するよ」 惜別、悔い、決別、さまざまな感情のこもった一瞥をレストランに向けた4人はやがてゆっくりと歩きだす。 誰かが通報したのか、明けゆく空の下で遠くからパトカーのサイレンが響き始めていた。 ◆ ◆ ◆ 実のところセイバーことイスラ・レヴィノスの推測はほとんどの部分で真実を言い当てている。 『NPCを操って火事と爆発の危険を騒ぎ立て、4人をレストランから引き離す』 『その目的は遠坂凜の遺体』 事実、凜のサーヴァントであるキャスターはNPCを操ってまんまと凜の令呪を右腕ごと手に入れた。 イスラが保身の為についた『やったのは凜を殺した敵』という嘘すら、見殺しという意味では真実となる。 嘘をつくのが上手い者は—— 【深山町・商店街/早朝】 【泉こなた@らき☆すた】 【状態】:左腕に大きな噛みつき傷(治療済)(残令呪使用回数:3) 【ライダー(火野映司)@仮面ライダーOOO/オーズ】 【状態】:疲労(小) 【天海陸@ワールドエンブリオ】 [状態]:疲労(小)(残令呪使用回数:3) 【サーヴァント:セイバー(イスラ・レヴィノス)@サモンナイト3】 [状態]:健康、魔力200%
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太陽は闇に葬られん◆A23CJmo9LE 月の見えない天井。 無機質な空間。 戦場から離れた静寂で男は佇む。 「不動明……あの姿は一体……?」 そう呟くと男、天戯弥勒は右眼を覆うように手をやった。 その掌の下で目線を何かを探すように様々に走らせる。 そしてあるところに視点を定め、目当てのものを見つけて納得の声を上げる。 「なるほど、そういうことか。逆光運河・創世光年を成さず、人類を進化させようとするとそういう真似をするのか、あの獣は」 「あの正体を知っているのか」 新たに一人、男が姿を見せる。 先刻あった不意の来客と同じ、金色の髪に容姿端麗な存在がどこからともなく現れたのに驚きもせず、言い咎めることもなく弥勒は問いに答える。 「ああ、今答えを見たところだ」 「聞かせてほしい」 右眼から手を放し、疼くように少しだけ表情を歪めると、その眼で見たものの解説を始めた。 それを暗闇から現れた男、飛鳥了は静かに傾聴する。 「あれは魔神柱というものらしい。ゲーティアに記された72柱の悪魔の名を冠する使い魔だ。アモンはその中でも高名な悪魔だろう?」 「私の知るアモンの姿はあのような醜悪な肉の柱ではなかったが……」 グリーフシードに満ちたケイオスタイドによる影響とはいえ、明の善性があれば魂まで汚濁することはないと思っていた。 ルシファーと並ぶ強壮なる悪魔アモンの肉体が変質するとも了には思えなかった。 「私たちが今いる世界とは基準を異にする編纂事象では魔術王が人類すべてが進化させようとしていた。 その結果人類の大半は悪魔族(デーモン)へと転じた……不動明は獣魔族(ベスティア)アモンと呼ばれる悪魔となった。 人が名付ける前から悪魔であった真性悪魔、デーモン族。人が人であるがゆえに切り捨てることの叶わない人類悪。この二つは極めて近しい概念だ。 そしてサーヴァントとは意思を持つ存在を使い魔という術式に落とし込むもの。 魔神柱というのは魔術王の保有する術式が意思をもったものらしい。 二つの近似する概念に加え、並行世界の魔術王とアモンの繋がりゆえに魔神柱へと姿を変えてしまった、というところだろう。些かと言わず外法な地だからな、ここは」 弥勒のつらつらと語る魔神柱というものの正体に理解はしかねるも納得はする了。 肉体はともかく魂のラベルが無事ならばひとまずは目的を達することができると焦燥を抑える。 「情報に感謝する。私(ルイ)にも伝えておくとしよう……しかし今更だが超能力者(サイキッカー)にしては魔術に精通しているな。 根源にでもつながったか?私以上の知識とは」 「詳しいわけじゃない。答えを見た、と言ったろう」 そう言いながら弥勒はまた右眼を抑えるように右手を伸ばす。 了はその手の下を探るように見つめ、ゆっくりと答えを出す。 「魔眼か?いや、まさか千里眼?生まれつきではないな。どうやって手に入れたんだそんな代物」 了の顔に珍しく驚きが浮かぶ。 その珍しい表情を可笑しそうに見返し、弥勒はその眼の出どころを喋り始めた。 「生命樹信仰というのは様々な神話に様々な名で存在する。 ある神話では、キスカヌ。別の神話では、娑羅双樹。また別の神話では、ゴフェル。あるいは、セフィロトにユグドラシル。 これらは同一の元型を持つものであり、俺のPSI、そして魂の『起源』にも通ずるらしい。 生命の樹は世界を支え、あるいは繋ぐ……流れてきたのさ、世界から俺に向けて情報が。 世界樹ユグドラシルの根元に繋がる命の泉がデンマークにあることを、俺はセフィロトを通じて知ることができた」 世界樹ユグドラシル。命の泉。 それは北欧神話に語られる大神が智慧を得た舞台として有名だ。 ルーン魔術の開祖と言われる大神は無窮の叡智の代償を払い、世界を見通す神となった。 払った代償は、自らの命と、そして泉に捧げた右眼。そう、つまり…… 「ミミルの泉からオティヌスの右眼を回収したのか。 数多の並行世界を生み出すが故に、その並行世界を俯瞰する規格外の千里眼を持つ『魔神』……グランドキャスター、オティヌス。 捨てられたその眼に未だ機能が残っていたとは驚かせてくれる。 ある意味では『宝石』の魔眼より扱いの難しい代物をよくその身に宿せたものだ」 身体に依存する千里眼は宿主が死しても、宿主のもとを離れても機能を続ける。 オティヌスの眼が千里眼となった時点で、泉に捨てた眼もまたグランドキャスターの資格である千里眼へと性質を変えていたのだ。 「イルミナの移植に比べればなんてことはない……といっても俺はその実態がどんなものかは知らないが。ウラヌスには感謝しかないよ」 創造主(クリエイター)と呼ばれる天才サイキッカーの少女が人を人ならざるものに処置できる技能があった。 その力を借り右眼を霊的に移植すれば、あとは起源の類似する生命の樹の保持者である弥勒になら規格外の千里眼もある程度は使いこなすことができた。 あらゆる並行世界を見渡し、テレホンカードを手にする者を見極め、今も時折会場での戦端に目を配っている。 「並行世界を見渡す千里眼を、たかだか聖杯戦争の監視に使うなど贅沢な」 「俺も、お前ももとより聖杯など欲していまい。心底それを望んでいるのが神に最も近いマンセマットなのは何とも皮肉なものだ。 俺たちの目的は聖杯戦争のその先なのだから、そのためならば魔神の眼も相応しいと言える」 「とはいえ人の身でその眼は扱いきれるものではないだろう。器が足りない。私の知る限りその眼を持つものはどれも純潔の人間ではなかったはずだ」 英雄王ギルガメッシュ。魔術王ソロモン。キングメイカーことマーリン。 神の血や知識、あるいは夢魔の血が混ざった人外でもなくば脳髄や神経が焼き切れてもおかしくない。 「扱えてないさ。見えるものすべてをまともに受け止めていたら今頃俺は廃人だ。 ……さっきまで垣根帝督がやっていたあれと似たようなものだ。リスク処理というやつだな。 脳が焼ける前に俺の手で視神経をレイラインごと切ることでまばたきの代わりにしている。視点の切り替えも同様だ」 そう言っている間にも右眼の視神経を焼き切り、そして生命の樹(セフィロト)によって回復する。 まばたき程度の気軽さで訪れるその激痛に苛まれても、弥勒は少し疼いたくらいの反応で右手を目にやり不敵に笑みを浮かべるだけ。 「もちろん使いこなすための腹案はある。それが俺の目的のために必要なことなのだからな」 そう言いながら保管したエレン・イェーガーのもとへと歩み寄る。 「肉体のスペックを向上させる必要がある。死徒化などではまるで足りない……この身に神を、オティヌス自信を混ぜ、疑似サーヴァントになることだ。 もちろんそのままでは神の意識に俺の人格は呑まれ、僅かな思念を遺す程度になってしまうだろう。 必要なのはエレン・イェーガーに宿る『始祖の巨人』の力だ。巨人を掌握する力を秘めたそれを奪い取ることで、ユミルの継嗣である半神半巨人のオティヌスの意思をねじ伏せる。 そうすることで、俺はオティヌスの疑似サーヴァントとなっても人格を侵されることなく俺の意思を保つことができるだろう」 「君は完全にオティヌスを降ろすつもりなのか……?確かに神霊であるあの女の力を使いこなすにはそれしかないだろうが、そうまでするか」 冠位の魔術師の、神霊の力を手にしなければならないことなどそうはない。 その欲深さと、何より血走った眼でエレンを睨む弥勒の凄味には了も多少なり感心する。 「この眼を通じて知ったことがある。 俺たちの生きる宇宙は異なる展開を見せる並行世界を許容する。しかし際限なく並行世界を発生させ続けると宇宙の寿命が尽きてしまう。 故に世界は選択し、記録し、収束する。『もっとも強く、安定したルート』から外れた世界を伐採し、エネルギーの消費を抑えるのだ。 消えゆく世界を『剪定事象』と呼び、基幹となる世界を『編纂事象』と呼ぶ」 弥勒の眼付が変わった。 千里眼を得て、神の視点に立ったことで人間味が薄れている。 「ふむ。魔術師の言うところの『人理』のことか」 「そうだ。人理に記録された事象はいかなる過程を経ようと覆ることはない。 神代のそれでもなお足りない、規格外の魔術師でなくば人理を焼却し、それを否定することはできない」 そう。 歴史を変える偉業を成すのは容易いことではないのだと、神の眼を得て思い知らされた。 世界を騙した、姉と宿敵がどれほどのことをしていたのかを改めて弥勒は知ったのだ。 そして、自らがそれに挑むことがどれほどの苦行であるかを。 「なるほど、そうか。『主神の槍(グングニル)』により世界を作り変える魔神(グランドキャスター)オティヌスならば人理焼却も成ると考えたか。しかし疑似サーヴァント程度でそこまでできるかどうか」 「かまわんさ。何も人類史すべてを否定しようというわけじゃあない。そんなものは獣の所業だ。 俺はほんの少し現代を守り、未来を変えることができればそれでいい」 弥勒の眼に少しづつ人間性が戻る。 千里眼を通じて見るのではなく、過去を振り返るとき彼は紛れもなく個人になっていた。 その様子に少しだけ了は疑問を覚えた。 「オティヌスの千里眼は未来視にまで至るのか?」 「さあな。本来のものならどうか知らんが、少なくとも俺は並行世界(となり)を覗き見るのが精いっぱいだよ」 「ならどうして君は固定された未来を知った?」 質問を受けると弥勒は複雑な表情で懐から赤いテレホンカードを取り出した。 懐かしむようで、誇らしげで、しかし悲しげでもある。 「姉さんと…夜科アゲハが教えてくれたのさ。10年後の未来と、それに至るまでの戦いの歴史を」 想起する。 姉と宿敵が届けてくれたメッセージを。 自ら紡いだその結末を。 「10年後、この地球が地球外の存在によって滅ぶ未来を見た」 思い返すのは自らの愚かさとその罪。 「俺の呼び寄せてしまったクァト・ネヴァスの手によって地球上の生命体の大半は絶滅の危機に陥る。 その未来は第一波である約束の涙を手にしたミスラを俺と夜科アゲハの手によって殺し、消し去ったはずだが。 それはおそらく人理に記録されている。数多の世界で似たような事象を観測したからな」 自ら引き起こしてしまった事件は幕を下ろした、はずだ。 そして同じような事件は、全く異なる地でも起きていたのを知っている。 弥勒は再び右眼を抑えるようにし、そしてかつて見た世界の記憶を手繰り寄せる。 「纏流子の刃で原初生命繊維は断ち切られた。 鹿目まどかの願いが絶望の魔女を救済した。 伊里野加奈の尽力によって異星人の侵略は防がれた。 現時点で地球は宙よりの侵略者に敗北することはないと人理に刻まれたはずだ。だが、10年後はどうかは……不安材料も多い」 あらゆる世界の歴史に刻まれている。 地球は外宇宙の存在になど負けはしないと。 しかし、弥勒は知っている。10年後の未来に外宇宙からの侵略者の本隊が訪れる可能性があることを。 ミスラによりウロボロスが呼ばれるように、何かが地球に訪れる危険がある。 「人吉善吉の過ごす世界で鶴喰梟という男が生命活動を停止した場合、その男の遺言により月が地球に落ちることになっている。 インキュベーターという地球外知性体の魔の手に未だ脅かされる世界もある。 直近の事象としてはそれだが……ほぼすべての世界に共通して見られる『捕食遊星』の伝説が気になる。 ヴェルバーと呼ばれるそれは月の干渉がなければ地球を訪れ、滅ぼす……あたかも『ウロボロス』のようにな」 地球が救われるのが人理に刻まれたとしても、10年後の滅びまでも記録されているかもしれない。 その因子は様々な世界に転がっていた。 そしてもう未来を見ることの叶わない弥勒ではその可能性を人並みに予測することしかできない。 「もし君の見た未来が人理に記録されていたならば地球が彼方からの来訪者によって滅ぼされる、と。 それを防ぐために魔神の力を手にしようとは意外と人のいいところがある」 「わざわざ否定はしないが。あくまでそれは二の次だ」 弥勒の眼に映っているのは、世界を滅ぼしてでも救いたいものだった。弥勒を人間足らしめている存在だった。 世界の危機よりもその危機の方がよほど重要だ。 「現代において5本の指に入るだろうサイキッカー、八雲祭という女がいた。 そいつは明らかに格下である俺の部下の一人の毒を受け、ある歴史ではその毒による弱体化が原因で死に至っている。 あの女の服毒はあらゆる世界で観測される、人理に記録された不変の歴史だ」 語るのは人理に刻まれた不変の現象。 赤いテレホンカードを通じて知った事象においても、歴史を変えることはできないと一人の女の危機を通じて世界は知らしめてきた。 「それがいかなる歴史を固定しているのか。俺の生存か、それに付随するクァト・ネヴァスの襲来か。 その答えは分からないが、歴史においては個人に発生する事象もまた記録され……何より観測された死は絶対となりえる」 いかなる歴史をたどろうと滅びを迎えると決まったものは滅びるらしい。 ブリテンという一国であろうと。ムーンセルという規格外の演算器であっても。 ならばもちろん数人の人間の死など容易く世界はもたらしてしまうだろう。 「なるほど。特異点と呼ばれる歴史のシミであっても死を記録されたなら、特異点修正後もその死の運命は覆されない。 多少時期にずれは生じるだろうが、人理焼却という異常事態を引き起こさない限り必ず死に至るだろう。 ……『赤いテレホンカード』の力で未来を変えたとしても、その未来で死んだものはやはり死ぬ可能性が高い」 「ドルキ。ウラヌス。ヴィーゴ。シャイナ。ジュナス。そして俺にグラナ。クァト・ネヴァスの訪れた未来においてW.I.S.Eは殆ど全滅だ。 その未来にも多少のショックは受けたが……この眼を通じて霊子記録固定帯(クォンタム・タイムロック)のことを知ったときはその比じゃなかった」 10年以内に自分も含めてほとんどの仲間が命を落とす。 これが歴史に記録されているとすれば、それは地獄などというものではない。 「かつての俺の計画が原因で世界が滅ぶ。それが必要ならばまあいい。 だが仲間と共に過ごす世界を求めておいて、その結果が仲間の死など受け入れられるわけがない。 ……あいつらが10年前後で必ず死にゆく世界など認めるものか」 そう、弥勒は一人漏らす。 一人たりとも仲間の手は借りず、悪魔や天使に手を伸ばしてまで彼は仲間を巻き込むのを避けた。 聖杯戦争などという大事に巻き込んでは、その過程で命を落としてもおかしくはないのだから。 10年以内に死ぬという歴史をここで確定させてしまうわけにはいかないのだから。 世界が滅んでも別に構いはしない。その過程で仲間が消えゆくのは我慢ならない。 弥勒のその意識は、魔王の思う混沌とした世界を生きるに相応しい強く、倫理に囚われない自由なものだった。 その凄烈な、新たな魔王かあるいは獣と言える在り方に了は笑みを深めた。 「英霊を喚ぶ聖杯戦争という形をとり、マンセマットと私のような人外も交えて、人理焼却というとびっきりの人類悪を成そうとする。 明が並行世界の因果を引き寄せてしまったのを見るに随分術式を歪めたものだ。 もしやティアマトを倒したヒトナリや、原初への『回帰』を願う私、それに『愛欲』の果てを知ったほむらは呼び水で、グランドクラスを召喚するために原点の決戦術式・英霊召喚に近づけたな? 悪魔染みた発想だ。全く感服するよ、弥勒」 「お前の目的とかち合うことはないと確信できたか?」 「ああ。明は狙い通りソウルジェムに満ちたケイオスタイドを啜り、絶望の果てに受肉した。あれなら英霊の座でなくヴラヴァやシレーヌの待つ地獄へと送ることができる。 巨人族やデビルマンの堕ちた地獄で神々の悪辣さをその眼で確かめてくれるだろう」 多少なり気に食わないことはあるが、それが最善の道であると了は砂をかんだような表情で堪える。 「同胞を地獄送りとは大層な友情だな」 「なに、問題はないさ。ケルベロスはおろか闇の帝王ハデスだろうと明には敵わないだろうからね。 ……さて、俺はそろそろお暇しよう。私(ルイ)とともに明のひとまずの最期を見届けなくては。それと、ついでにマンセマットの末路も冷やかしておこうか」 そう言うと口元に嗤いを浮かべて、闇へと了は去っていく。 そうして空間には一人弥勒だけが残され、数秒の間耳に痛いほどの沈黙が下りた。 そこへ銃声に近い炸裂音が響き、静寂を切り裂く。 炸裂音と共にどこからか放たれた強大な弾丸が弥勒を貫き、その肉体は衝撃で宙を舞う。 胸元に空いた風穴、甚大な出血、誰が見ても天戯弥勒は間違いなく死んだと思うだろう。 銃声の主もそう考えて、暗闇から姿を見せる。 その正体は女神ノルン。 大天使マンセマットの同胞であり、此度の聖杯戦争においてはその能力で時間操作に制限を課す役割を果たしていた女神である。 「まさか、アレは…ルシファーが噛んでいたとは」 弥勒の死体を確かめるノルンの口から言葉が漏れる。 「聖柱は顕現し、もはや我らの計画が大詰めだというのに――」 「あいつや俺に邪魔されるわけにはいかない、か?」 ノルンの言葉を継ぐように弥勒の亡骸…だったはずのものから声が放たれた。 「今のはグランドタックだな。神樹ユグドラシルの放つ、至高の魔弾に手を伸ばさんとした強力な銃撃。 ここまで死にかけたのはグラナの天墜をまともに浴びて以来かな。大したものだよ」 エレン・イェーガーの死体から光る枝が伸びて、その枝に触れたところから弥勒の傷が癒えていく。 エレンの肉体も死んでいるとは思えないような瑞々しさを保っていたが、その生命力を奪うように、弥勒の傷が癒えるほどに逆にエレンの体は朽ちていく。 最後に自重でエレンの体が枯れ枝のように折れると、弥勒の体は完全に癒え、再び堂々と立ち上がった。 つい先ほどまで間違いなく死んでいた男の復活に、何よりその見覚えのある枝にノルンも瞠目する。 「生命の樹(セフィロト)“王国(マルクト)”……どうしたノルン?お前の中の一人はワルキューレだろう?死者が立ち上がり戦うなど幾度も見てきたはずだ。 それともこの生命の樹(セフィロト)に見覚えがあるか?かつてウルズの泉の水でお前が育てていた生命の樹(ユグドラシル)に似ているのが驚きか?」 ニンゲンの戯言と切って捨てるように再び銃撃を構える。 次の瞬間に銃声 「ひれ伏せ」 ではなく弥勒の発したその命令が響き、その通りにノルンは突如重力が増したかのように倒れ、『ひれ伏す』。 令呪で命令されたサーヴァントのように意思に反した行動を強制され、ノルンの脳裏に次々と屈辱が、疑問が駆け巡る。 人間風情が。おのれ、何をした。動けるようになったなら即座に縊り殺してくれる。 女神の美しいかんばせにその悪意を存分に浮かべ弥勒を睨むが、睨まれた方は涼しい顔でそれを受け流す。 「なぜ?と聞きたそうだから答えてやろう。エレン・イェーガーのおかげだよ。彼に宿った『座標』の力をものにしたのさ。 あらゆる巨人の繋がる空間を超越した道の交差点が今の俺の中にはある」 生命の樹(セフィロト)によって生命を奪われ、枯れ落ちたエレンの亡骸を背後に弥勒が歩み、ノルンに近づく。 「巨人の力を宿したユミルの民が命を落とした時、宿った巨人はどこかのユミルの民に転生する。 ……エレン・イェーガーが死ねばその身に宿った二つの巨人の力は別の誰かのもとへと移ってしまう。奪うには生かしたまま喰らわねばならない」 崩れたエレンの亡骸が灰へと転じた。 「この世界で死んだ者は灰へと帰る。転じて言うならば、灰になっていないものは世界の認識において死んでいないということだ。 セフィロトを通じて俺とパスを繋ぎ、命を共融している間は奴に巨人の力は宿り続けた……そして先ほど、そのパスを通じてエレン・イェーガーの命を喰らった。 今の私…俺は『進撃の巨人』と『始祖の巨人』の継承者だ。わかるか、ノルン?巨人族の三姉妹よりなる女神よ」 「座標の力が、私を縛っていると…!?」 ノルンを形成するのは幾柱かの女神の要素である。 特にその頂点の三姉妹、現在過去未来を司る巨人族の女神のことを指す。 彼女の道もまた、どこかで『座標』に通じているらしい。 「俺の右眼はオティヌス…ユミルの一族である魔神オーディンのものだ。巨人の王ユミルの系譜の力に触れていれば片鱗とはいえ『始祖の巨人』の力を振るうことができる。どうやら実験は成功したな」 「私で、力を試したというのか……!」 「その通りだ」 ノルンの目と鼻の先に立ち、弥勒は見下すようにして掌からセフィロトを展開する。 「最期になるがノルン。お前には感謝している。 ユグドラシルに一度奪われたその力を再び身に宿したため、お前はただでさえ深い世界樹(ユグドラシル)との繋がりをより濃くすることとなった。 それがあったからこそ、ユグドラシルは輝きを取り戻し、俺のセフィロトへ居場所を知らせてくれたのだろう。オティヌスの眼を見つけることができたのはお前のおかげだ。 そしてセフィロトとユグドラシルの繋がりがあったからこそ、俺はそこへ千里眼を向けることでお前とマンセマットを発見できた。その繋がりにテレパスを送ることもな。 この聖杯戦争の開催にお前という存在は欠かせなかった。そして、俺の目的の終結のためにもお前の存在は欠かせない」 掌から出されたセフィロトが束ねられ、強靭な槍のようになる。 「俺に跪き、糧となって死ね。ノルン」 そしてその槍が、何もできず跪くノルンを貫く。 うめき声ひとつあげる間もなくノルンもまた灰へと帰る。 ……その灰の山に一つ、残るものがあった。弥勒はそれを手に取り、大切そうに懐にしまう。 「ユグドラシルの枝。お前が宿した力の結晶、タダノ風に言うならフォルマか。思ったより小さいな。こんな僅かな傷から世界樹が枯れるとは神秘の衰退とは恐ろしいものだ。 しかし小さい木片しか得られなかったな。これでは槍にするには少し足りないか?」 やはりスペアに手を出すか、とつぶやき、改め得て千里眼で会場に目をやる。 視界にまず飛び込むのは二つの戦場。 聖なる柱と向き合う、人間と悪魔。 魔なる柱を向きあう、人間と悪魔を宿すものたち。 それを取り巻く、戦場の空気。 「綺麗だ」 その大気はすでにPSI粒子以外にも様々なものに侵されている。 未元物質であり、テレズマであり、スタンドエネルギーであり、マッカであり、ケイオスタイドであり、心象風景そのものでもある。 「あらゆる世界のあらゆる法則が入り乱れ戦うことで、空気に魔力(マナ)が満ちていく。 かつて神が闊歩した時代の空気は、こんなふうに輝いて見えたんだろうな……これならオティヌスも馴染むだろう」 場が整いつつあることを確かめ、今度は自らの胸に手を当てる。 「必要なものは『座標』である。巨人を従える始祖の巨人の力でもってオティヌスの意思をねじ伏せる」 ゆっくりと深呼吸をして、そこに力があると認識を深める。 ノルンが屈したその力は本物だと改めて確信する。 「オティヌスの右眼を宿していれば巨人を操る力を行使できることは確信できた。 ノルンを失い、暁美ほむらの枷は外れてしまったが、もはや佳境だ。夜明けごろには時間素行までできるようになってしまうかもしれないが、それも些末事」 再び戦場に意識を向ける。 今度は大気でなく、現れた規格外の怪物二柱に絞って。 「魔神柱に聖柱とはずいぶん規格外ではあるが、英霊と人間の合体という実例もこの眼で観測できた。 召喚はまだしも合体には多少の不安があったが、あの分なら俺にもさほど難しくはなさそうだ」 マンセマットの術式は観察できた。デビルマンの合体も見た。 サーヴァントを現世にエーテルで器を与えるのではなく、天戯弥勒という器に流し込み、それによって器自体も変質させればよいのだ。 すでに千里眼を宿し、変質しつつある体にオティヌスは馴染むはずだと自分に言い聞かせる。 「巨人を抑えるのに最も適したカタチの魔術回路も奪った。この手だけは守り切れば、抑えることができる」 今度は千里眼の先でなく、右手の甲に目をやる。 そこにあるのは自由の翼。エレン・イェーガーに刻まれていた令呪を巨人の力ごと奪ったのだ。 巨人を制するのに彼のもの以上に優れたマスターはいないだろうと、その魔術回路ごと奪い取った。 ……オティヌスを抑えるための準備は重ねている。 「必要なものは礼装である。魔神の振るった『槍』、世界樹ユグドラシルの枝……ゴフェルと呼ばれる木片を。そして、竜を従える『弩』を」 あとは呼び寄せるだけ。 そのための触媒をノルンを殺め、手にした。 不足ならば他にも候補は用意している。 左眼に体の随所から発生させた、世界樹(セフィロト)と名付けたPSIが映る。 そして右眼に映る戦場の景色を移動させていく。 まず映ったのはアーチャーのサーヴァント、穹が戦地に遺した矢が突き刺さる公園だった。 そしてすぐに千里眼に見える景色を切り替える。 グングニルの名を冠する槍を持つランサーのサーヴァント、レミリア・スカーレットを彼方より見やる。 そしてとある世界において『主神の槍(グングニル)』の材料となった、生きるゴフェルともいえる存在……今や聖柱と呼ばれる存在になったテイトクを睨みつける。 材料はある。 あとは召喚に適した環境と、肉体のピークのタイミング。 「必要なものは引力である。月と地球の引力が条件を満たすその時に、俺はオティヌスをこの身に宿す疑似サーヴァントとなる」 そしてまた、千里眼に映る世界を切り替える。 右眼の視界に捉えたのはこの地で誰より因縁深いサイキッカーだった。 太陽(みろく)の対となる、月(アゲハ)の姿。 「生きてこの世界を見届けろといったな、夜科アゲハ。 結局俺の作る世界は破壊の果てにあるようだ。世界が俺や仲間を殺すなら、俺はその世界を焼き尽くす。 俺の選んだ道はお前の目にどう映る?」 数多の剪定事象で殺し殺され、一度だけ共通の敵を見据えた男。 ドルキ以外にはおそらく唯一自分と同じ高みに至り、同じ世界を異なる見方で捉えていた男。 「世界をまわり、仲間を集め、草の冠から始めるつもりだったんだよ。 それが、集めた仲間が世界に殺されるのを防ぎたければ冠位(グランドキャスター)の力が必要なんてな。 世界樹の力を結集した、最高級の草の冠を用意する羽目になってしまった。 姉さんの言いたかったのはそういうものじゃないんだろうが……10年経とうと、その成れの果てを知ろうと俺にはやはりこれしかできないらしい」 「月は近づく。天国の時は近い……さて。オティヌスの触媒でもある、弩と木片の回収に行かねばな」 【天戯弥勒@PSYREN-サイレン-】 [状態]魔力(PSI)消費(小)、『始祖の巨人』及び『進撃の巨人』吸収 [令呪]三画 [装備]オティヌスの右眼(EXランクの千里眼) [道具]フォルマ:世界樹の木片 [思考・状況] 基本行動方針:オティヌスの疑似サーヴァントとなり、人理に刻まれた自身と仲間の死を歴史から焼却する 1.『槍』と『弩』を回収するため穹の遺品、レミリア、テイトクのいずれかのもとへ向かう 2.オティヌスを召喚する [備考] ※エレンの死体をセフィロトを通じて喰らいました。『始祖の巨人』、『進撃の巨人』の力を一部得ています。 【飛鳥了@デビルマン】 [状態]健康 [令呪]??? [装備]??? [道具]??? [思考・状況] 基本行動方針:神々との闘争に勝利し、デーモンの天下を 1.聖杯戦争を通じて明たち同胞に神を敵としてもらいたい 2.神々との闘争に備えて準備。その方策として受肉した明を地獄に送る 3.必要に応じて参加者にも主催にも介入する 4.戦力増強のためルイと子を産むことも考える [備考] ※ルシファーの男性としての面を強く顕現した分身です。 両性具有の堕天使としての特徴を失うことで神々の一派の目を欺いています。 [全体備考] ※ノルンが死亡しました。それにより暁美ほむらの時間操作の制限がなくなっています。弥勒の見立てでは夜明けごろには時間遡行も可能と予想しています。 BACK NEXT 065-b 魔なる柱雷のごとく出で 投下順 時系列順 BACK 登場キャラ NEXT 057-b 翼をください 天戯弥勒 飛鳥了
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Night of The Round ガウェインとの契約を交わし、今後の行動を決めようと思案していた時、 ルルーシュは不意に眩暈を覚える。 「……ッ!?」 不意に襲われた不快感に頭を抱え、 もう一度頭を上げた時、 そこには思いもよらない光景が目に入る。 「なっ…!?」 先程までの宮殿のような光景は消滅し、 窓から月の光が差し込む長い廊下の真ん中に いつの間にか自分は立っている。 『ムーンセルによる移動が行われたようですね』 傍から白銀の騎士の声だけが響く。 「ガウェインか? 何処にいる?」 ルルーシュの声に反応するように光が集約し、 人の形を成していく。 ものの数秒で始めからそこに居たかのように ルルーシュの傍らに白銀の騎士が現れる。 「常にお傍に」 サーヴァントの霊体からの実体化を初めて目の当りにし、 若干腰が引けているが、それをガウェインに悟らせない様に 咳払いを一つし、ガウェインに目を向ける。 「……ムーンセルとはどういう事だ?」 ルルーシュの質問にガウェインは暫し沈黙した後、 周辺に目を向け、何事かを閃く。 「丁度良い場所に飛ばされたようです。 着いて来て下さい、口で説明するよりも 分かりやすいものが有りますので」 そういって彼は暗い廊下を先行していく。 それを訝しみつつもルルーシュも後に続いていく。 「こちらです」 そう言って彼が指し示したのは一つの個室。 扉の上に貼り付けられたプレートには 『図書室』と書かれている。 「ここは……図書室? 何の冗談のつもりだ、ガウェイン?」 眉間に皺を寄せ、詰問するような口調のルルーシュを 微笑んで軽く流し、ガウェインは引き戸を開けて中へ入っていく。 顔を顰めつつ、ルルーシュも中へ入ろうとして 今までの暗い廊下とは違い、 明かりの点いた室内に一瞬、目を細める。 「あっ、いらっしゃい! あなたがマスターさん?」 図書室の受付に座る黒い学生服を着た少女が 明るく声をかけてくる。 その傍ではガウェインがにこやかに ルルーシュに手招きしている。 「説明をしろ、ガウェイン! この女は誰だ? 何故、俺がマスターだと知っている!」 声を荒げるルルーシュを宥め、 隣の女性を示して、 「彼女は間目 智識(まめ ちしき)さん。 我々のサポートをしてくれるNPCです」 ガウェインに紹介された少女がルルーシュに手を振る。 だが、その少女を無視し、 ルルーシュはつかつかと歩を進めると ガウェインに詰め寄る。 「それで、この馬鹿みたいな名前の女が 何の役に立つというんだ?」 「バッ!? き、気にしているのに……」 ルルーシュの言葉に凹む少女を「まぁまぁ」と宥めつつ、 にこやかなままガウェインはルルーシュに向き直る。 「落ち着いてください、ルルーシュ。 ここにはムーンセルに集められた 全ての情報が記録されています。 彼女はここの管理人です」 エッヘンと胸を張る少女を不審そうな目で眺め、 疑念は晴れはしないままに仕方無さそうに ルルーシュが口を開く。 「……取り敢えず、ムーンセルと聖杯戦争に ついての記録を出して貰おうか?」 「あいあい」と軽く返事をして少女がPCに向かい、 キーボードを軽快に叩いていく。 すぐにPCのディスプレイに映った文字列を眺め、 少女は一瞬、困った表情を浮かべると 「はい、これだよ」 と、一冊の書籍を取り出す。 その本を手に取り、ぱらぱらと捲り ルルーシュが首を捻る。 「……如何いう事だ? 俺は『ムーンセル』と『聖杯戦争』についてと言ったのだが、 これには『聖杯戦争』についてしか記載されていないが?」 ルルーシュの質問に少女は「あはは~」と 困り顔をしつつ、言い訳を始める。 「いやですね、私も出来れば協力したいんだけど 『始めから答えを与える様な甘えは許さん』って、 どっかの神父さんから通達が来てましてね」 「本当にごめんなさい!」と両手を合わせる少女に 舌打ちこそしたが、それ以上の追求はせずに ルルーシュは渡された本に目を落とす。 「……随分と断片的な記録だな。 過去のものに到っては行われた回数と日付のみか… ん? この第5次聖杯戦争というのは 最近行われたものなんだな?」 それまでは断片的だった記録が その部分に関してだけは詳細に記載されている。 「勝者は衛宮士郎…イレブンか。 待て、そういえば此処は何処だ?」 唐突な移動により頭から抜けていた疑問が 「イレブン」という単語で急に頭を過ぎる。 「此処は冬木市。 貴方の世界で言う所のエリア11の 一つの街ですよ、ルルーシュ」 疑問に対してすかさずガウェインが答えを返す。 その隣では少女が仕事を取られたような 情けない顔をしていたが。 「……エリア11。 日本だったのか、此処は」 自分にとっては因縁深い場所である事に対してか、 ルルーシュの表情に蔭りが差す。 だが、一つの疑問が頭を過ぎり、 頭を上げてガウェインに視線を向ける。 「いや待て。今、お前は『貴方の世界』と言ったな。 それはお前が過去の人物だから言った事か?」 ルルーシュの質問にガウェインは驚いた様に目を丸くした後、 その行為が無礼に値すると感じたのか恥じ入るように 少しだけ俯いた後、すぐに顔を上げて真剣な表情でルルーシュを見つめる。 「いいえ、言葉の通りです、ルルーシュ。 貴方は『この世界とは異なる世界』から 聖杯によって選ばれたのです」 ガウェインの言葉や表情に偽る様なものは無い。 俄かには信じがたい話だが、 ルルーシュの明晰な頭脳はこれまでの経緯も含めて その可能性を素直に受け入れる。 「平行世界(パラレルワールド)か・・・ そうすると聖杯というものは 確かに願望器と呼ぶに相応しいな」 顎に手を当て、呟く様に答えを導くルルーシュに ガウェインが微笑んで言葉を続ける。 「聖杯は情報の収集を主としております。 いえ、正確にはそれしかしないんです。 ですがそれは同時にあらゆる可能性にまで及んでいます。 その情報量は私には想像も及びません」 「それが何故願いを叶える事に繋がる?」 「私に分かるのは其処までです。 何故それが願いを叶えるのに繋がるのか それを知る事が出来るのは 最後に勝ち残った勝者だけですから」 「あわわわ……な、何この人、いきなり核心にまで迫った!? ルルーシュ、恐ろしい子ッ!」 一人、驚愕の表情を浮かべている少女を尻目に ルルーシュは足早に出口へと歩いていく。 「どちらへ?」 ガウェインが首を傾げてルルーシュの後を追う。 「取り敢えず、ここが何処なのかという事と 聖杯戦争と言うものについては知る事が出来た。 当面はここに来る用も無ければ、 ここに長居する必要もない。 ここで情報が閲覧できる以上、 ここに来る者は全て、 他のマスターという事になるだろうからな」 口元に少しだけ笑みを作り、さっさと扉を開けて 一人先に外に出て行ってしまう。 やれやれといった様子でガウェインも後に続き、 出口の前で少女に深々と一礼した後、 その姿を霊体化させて、その場から消えた。 「……さて、誰か来る前に仮眠しとこ」 取り残された少女は寝袋を取り出して、 いそいそと仮眠の準備に勤しむのであった。 「ガウェイン、そこに居るんだろう?」 見向きもせずに声だけで確認する。 『ハイ、こちらに居ります』 今度は実体化せずにこちらも返事をするだけに留めている。 「さっきの書籍に気になる名前があった。 第5次聖杯戦争の勝者、衛宮士郎。 会ってみる価値はあるだろう」 ―――――――――――――――――――――――――― コンロに火を点けて、薬缶を温める。 その間に台所の戸を開けて、茶葉を探す。 「えぇっと、あぁ有った。 セイバーは緑茶で良いか?」 「えぇ、私は何でも構いません」 台所からセイバーの姿に目をやる。 キチっとした姿勢で正座し、 穏やかな表情で自分の方に目を向けている。 目が合い、何だか気恥ずかしくなって 慌てて薬缶に向き直る。 程よく暖まったお湯を急須に注ぎ、 湯飲みにお茶を淹れる。 ほんのりと渋い匂いに少しホッとする。 「出来たぞ、セイバー」 「ありがとうございます、シロウ」 机に向かい合う形で座り、 お互いの湯飲みを置く。 お茶を少しだけ啜る。 熱めに沸かしたお茶が逆に心地良い。 気分が落ち着いてきたのでそろそろ本題に切り込む。 「セイバー、今回の聖杯戦争についてなんだが セイバーも気づいてるよな? 今回の聖杯戦争はおかしいって事」 セイバーも湯飲みを置き、士郎の言葉に続く。 「えぇ、理解しています、シロウ。 7騎ではなく25騎にも及ぶサーヴァント。 これは明らかに異常です」 その言葉にうんと頷き、そして首を傾げる。 「セイバーは聖杯の事は分かんないんだよな? 柳堂寺の地下の大聖杯はもう無いんだ、 じゃあ、今回の聖杯は一体何処から現れたんだ?」 「すみません、シロウ。 聖杯の所存については私も分かりません」 しゅんとしょげかえるセイバーに慌ててフォローをいれる。 「いや、別にセイバーを責めてる訳じゃないんだ! ただ、今回の事は分からない事だらけで 俺も如何したら良いか分かってないんだし」 気分を落ち着ける為にお茶を一気に流し込む。 まだ少し熱かったが気分は少し落ち着いた。 「そ、それでだな、セイバー。 今回も夜の見回りをしようかと思ってる」 提案としては愚直も良い所である。 しかし、自分にはここから手を付けるしかない事を 分かっているからこその提案である。 セイバーは机に置いておいた湯飲みを持ち、それを一口啜る。 コトリと湯飲みが置かれ、セイバーが真剣な表情で シロウの顔を見つめる。 「分かっています、シロウ。 ですが、約束して下さい。 決して一人では無茶な行動はしないと」 「あぁ、俺もあの頃よりは理解出来てるよ。 セイバーを心配させるような真似はしない」 お互いに真剣に見つめあい、意識を確かめる。 後は空になった湯飲みを持ち、台所へと向かう。 湯飲みを洗いながら後方のセイバーへと声を掛ける。 「そうだ、セイバー。 俺もただぼんやりと過ごしてたって訳じゃないんだ。 一緒に道場の方まで来てくれないか?」 ―――――――――――――――――――――――――― 乾いた竹刀の音が響く。 だが、それは打ち合いと言うにはあまりにも一方的で、 指導と言った方が的確な状態である。 振るわれた竹刀が腕に当り、 思わず竹刀を取りこぼす。 「……いてて、やっぱりセイバーには敵わないか」 「確かに以前よりは上達したようですが、 まだまだですね、シロウ」 ご満悦と言った表情でセイバーが胸を張る。 そういえば、前から気になっていた事があるから、 ご満悦ついでに聞いておこう。 「そういやさ、セイバーは剣の腕で誰かに負けた事はあるのか?」 その言葉にセイバーがムッとする。 「何を言いますか、シロウ。 私はセイバーの名を冠するサーヴァント。 剣に於いて他に遅れを取ることなどありません!」 誇らしげに話すセイバーだが、ちょっと引っかかる事があるな。 「いや、でもセイバーって確か伝承じゃ――」 その言葉を途中で遮られる。 セイバーの顔は真剣で何かに集中している。 この感覚は――まさか! 「シロウ、近くにマスターが来ています! かなりの魔力を感じます、間違いありません」 セイバーの周りに風が集まり、 瞬時に礼装に包まれる。 セイバーの様子からして、相手も相当やばい奴だ。 「シロウはここに!」 言うや否や、セイバーが一人で外に飛び出してしまう。 慌てて続こうとして前にもこんな事があったのを思い出す。 あの時はセイバーがアーチャーの奴を切り伏せちゃったから、 とんでもないことになってしまったんだった。 「…とと、こんな事考えてる暇はないぞ。 セイバーを追わないと!」 急いで表門から飛び出し、周囲に目をやり、 セイバーの姿を探す。 「居た!」 意外と近くに居たセイバーに安堵すると同時に疑問が起こる。 遠くに見えるセイバーは明らかに動きを止めている。 相手の反撃にあったような感じでもない。 何かに驚いているといった様子だ。 「セイバー!!」 走りながら意識を集中させる。 『―――同調、開始(トレース オン)』 一番、意識しやすい二振りの剣を投影する。 <干将・莫耶> 陰陽二振りの短剣。 アイツが使っていたのは気に食わないが、 瞬時に投影できるのはこれくらいなのだから いちいち選り好みはしてられない。 短剣を構えて、セイバーの横に並ぶ。 セイバーの姿にはやはり何処にも外傷は見当たらない。 ならば、セイバーは『何』に対して ここまで驚いているのだろう? セイバーの視線の先に目を向ける。 そこに白銀の騎士が立っていた。 「お久しぶりです、アーサー王。 いえ、今はお互いにサーヴァントの身。 叔父上と呼んだ方が宜しいですかね」 白銀の騎士が構えていた剣を収める。 「あなたは……ガウェイン」 固まっていたセイバーが口を開く。 ガウェイン? ガウェインって、確か円卓の騎士で アーサー王の片腕とまで言われた騎士の事か? 剣を収めたと言う事は少なくとも 向こうに今は敵意は無いみたいだが。 「フン……いきなり飛び掛る番犬とはな。 前回の勝者とやらはその無節操さで 他の者に勝利したのか?」 悪態をつきながら白銀の騎士の影から一人の青年が姿を現す。 細身で黒髪だが瞳の色が日本人ではない事を証明している。 「……誰だよ、お前!」 セイバーはまだガウェインと呼ばれた騎士に驚き、固まったまま。 いくら相手が知り合いだったからと言って油断が出来ない事は 前回の経験から充分に身に沁みている。 警戒心を解かない俺を青年は鼻で哂い、 「俺の名前はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。 貴様に用があって此処に来た。 セイバー「ガウェイン」のマスターだ」 そう言って、右手に刻まれた令呪を翳した。 【深山町・衛宮邸前/深夜】 【衛宮士郎@Fate/stay night】 [状態]:健康(残令呪使用回数:3) 【セイバー(アルトリア)@Fate/stay night】 [状態]:健康 【ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア@コードギアス】 [状態]:健康(残令呪使用回数:3) 【セイバー(ガウェイン)@Fate/Extra】 [状態]:健康 BACK NEXT Interlude Cannibal Corpse 投下順 027 Cyclone 043 Interlude 時系列順 027 Cyclone BACK 登場キャラ NEXT 003No.3 衛宮士郎 セイバー 040 FINAL DEAD LANCER(前編) 010No.10 ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア セイバー 040 FINAL DEAD LANCER(前編)
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魂喰いについて 外道戦法 魂喰いは、ハイリスクハイリターンな非人道的手段です。これを行った場合、ほぼ全ての陣営から目の敵にされることになります。 魂喰いは特定のスキルを所持しないで行った場合、どこで行われたかが全ての陣営に告知されます。また、その他にも様々なデメリットがつきまとうことにもなります。 魂喰いは、霊地を除く全てのエリアで、移動フェイズ時に移動を破棄して行うことができます。ただし、一度魂喰いを行ったエリアでは再度魂喰いを行うことはできません。また、合計で3エリアで魂喰いが行われた場合、その聖杯戦争中はそれ以上魂喰いを行うことはできません。 魂喰いのメリットとデメリット 魂喰いは多くのデメリットと引き換えにメリットを得る行動です。多くの場合デメリットのほうが多くなるため、使用タイミングを見極めて使用することが重要です。 メリットは表の内、一つのみを選択できます。 メリット サーヴァントのHPを全回復する 一種の宝具の使用回数を1回復する 次の戦闘フェイズ時、1回のみ任意の判定に補正5を得る(複数回行っても重複なし) デメリット 魂喰いを行ったエリアで再度魂喰いを行えない 監督役が召喚するサーヴァントが討伐に向かう 魂喰いを行った陣営に対し、討伐令が下される。この際、同盟を組んでいる陣営も討伐対象に含まれる サーヴァントの真名が全ての陣営に明かされる 移動フェイズ終了時にその場所が全ての陣営に明かされる 討伐令の内容 討伐対象を討伐した陣営に対し、令呪が配布される(画数は状況に応じて変化) 目次 メニュー はじめに 基本的に用意するもの ゲームの流れ FAQ ルール マスター + ... ー アライメント ー 逃走待機ポイント ー 令呪 ー 素質 サーヴァント + ... ー クラス ー 宝具 ー ヒント 監督役(GM) エリア 各フェイズ + ... ー 移動フェイズ ー 遭遇フェイズ ー 戦闘フェイズ 各判定 + ... ー 先手判定 ー 逃走判定 ー 物理攻撃判定 ー 物理防御判定 ー 魔術攻撃判定 ー 魔術防御判定 真名看破 スキル + ... ー マスタースキル ー クラススキル ー 単独行動 ー 気配遮断 前衛と後衛 再契約 脱落 陣営 同盟 + ... ー 援護 ー 裏切り ー 同盟の解散 魂喰い ←現在ページ 最終戦闘 状態異常